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28 特別寄与料の相続税の課税親族も寄与分請求対象者に1.概要
民法の従来の寄与分制度(民法 904 条の 2 )に加え、2019年7月1日より、新たに相続人以外の者の貢献を考慮するための方策が創設されました。この改正により、無償で被相続人の療養看護等の「特別の寄与」を行った相続人でない被相続人の親族は、相続人に対し金銭(特別寄与料)の支払を請求できることとなりました。 2.改正の趣旨 従来の制度では、寄与分を請求できる対象者を相続人に限定していました。このため、被相続人に対し、寄与を行った者が相続人ではない場合は、何ら相続財産の分配にあずかれませんでした。そこで、新制度において対象者を「親族」まで広げ、特別の寄与を行った者が親族である場合には、相続人に対し金銭を請求することが可能となりました。 【例】既に長男が亡くなっており、長男の妻が、被相続人の介護に尽力してきたケース
被相続人の相続開始後、長男 A の妻は、相続人 B、C、D に対して金銭の請求をすることができます。 3.従来の寄与分制度と新制度の比較
4. 税務上の取り扱い (1)特別寄与者 支払を受ける特別寄与料を遺贈により取得したものとみなして、相続税が課税されます。相続開始前3年以内に被相続人から特別寄与者が贈与により取得した財産があるときは、課税価格に加算して計算します。なお、特別寄与者は配偶者および一親等の血族ではないことから、相続税額の2割加算の適用があります。 (2)特別寄与料を支払う相続人 支払うべき特別寄与料の額を各相続人の課税価格から控除します。 (3)特別寄与料が確定しない場合 相続税の申告期限までに特別寄与料の額が確定しない場合には、一旦、特別寄与料の支払いがないものとして期限内申告書を提出します。特別寄与料が確定した後 4 月以内に限り、特別寄与料を支払う相続人は更正の請求をすることができます。一方、特別寄与料の額が確定したことにより、新たに相続税の納税義務が生じた特別寄与者は、当該事由が生じたことを知った日の翌日から10月以内に相続税の申告書を提出し、かつ、納税しなければなりません。 5. 実務上の留意点 従来の寄与分については、「相続人に通常期待される程度の貢献」を超える貢献であると認められない限り、寄与分が認められることは難しいものでした。 今後、特別の寄与の制度においても、「(親族に)通常期待される程度の貢献」を超える貢献であるか否か、が重要なポイントとなると思われます。将来、特別寄与料を受け取ることを検討しておられる場合には、介護日誌などをまめにつけておくのも一案です。 (文責: 辻・本郷税理士法人 http://www.ht-tax.or.jp/)
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