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事業承継と法定相続分

 被相続人の遺産に対しては、相続人はそれぞれ法定相続分に応じた権利を持っています。相続財産が被相続人の経営する会社の株式や土地・建物しかなかったような場合でも、相続人であれば相続する権利があります。
 しかし、被相続人と一緒に会社を経営してきた相続人(事業承継者)と、全く会社の経営に関与していない他人のような相続人では、相続財産に対する考え方や重要性は異なります。
 事業承継者は、なんとしても会社経営を続けていくために相続財産を守ろうと考えますが、それ以外の相続人は財産価値だけに着目して、自分の相続分を主張するケースがよくあります。このような場合には、事業承継者が自ら資金を調達(借入)して、他の相続人に現金を交付して調整する、いわゆる「代償分割」によって解決しているケースが多いようです。しかし、事業承継者にとっては、会社の経営を続けていくことに加えて、相続税の納税、さらには代償交付金を支払うために調達した借入金の返済といった問題を抱えていくことになり、大変な苦労を背負うことになります。  
 事業承継が絡んだ相続においては、事業承継の重要性などについて、各相続人が理解する必要があります。遺産分割でトラブルを起こさないようにするためにも、事業承継者のために遺言書を作成しておくべきです。
 また、事業承継の場面では、相続税の納税が多額になるケースが多いため、事業承継税制の活用などの対策が必要です。

(文責: 辻・本郷税理士法人 http://www.ht-tax.or.jp/


 

 
  • 2017年5月改訂版
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