コロナ禍でも好調なビジネス
- 営業用自転車の販売
- 小売
修理点検に迅速対応
-
C社は、新聞販売店や郵便局などが使用している営業用自転車の販売及び保守点検を主業務としている会社である。同社が手掛ける自転車は、平たい言葉でいうと頑丈で酷使に耐えられる用途向けで、一般向けとは言えない。
同社は東京近隣にサービスセンターを複数保有し、修理点検に迅速に対応できる事業体制を構築している。
一般顧客への販売を決断
-
新型コロナウイルス感染症の影響により、電車での通勤を避けて自転車で通勤する人が増加している。
C社が販売している自転車は一般向けのものではなく、また小売でもない。しかし、前々からC社の社長は一般向けで若干グレードが高い、セミプロタイプの自転車の小売に関心を持ち「健康志向の高まりから自転車需要が今後さらに伸びるのではないか」と考え、情報収集を行っていた。
新型コロナウイルス感染症の影響が広がるなか、C社の社長は自転車需要の高まりに確固とした見通しを抱くようになり自前のサービスセンターを利用しての一般向けの自転車小売を決断した。
設備改装などに資金需要
-
さて、現在のC社のサービスセンターは保守点検を主体とし、いわゆる店舗向けではない。そうなると図表のような資金需要が想定される。
まずは小売店舗向けの設備面の準備が必要となりここに設備資金需要の発生が想定される。さらに店舗で小売を行うためにはレジ機器といったハード面の準備が必要となり、POSシステムといった販売管理用のシステム投資も必要となるだろう。
また、クレジットカード決済に備えたカード会社への加盟も必要となってくるだろう。
電子マネー決済への備えもあれば良い。
加えて、販売向けの人員の確保もC社には必要となるだろう。現在、C社の社員は主に保守点検業務が中心である。
保守点検業務の社員でも販売はできるであろうが、できれば販売向けの人員を備えておくことが望ましい。そうなると採用費用やその後の給与負担が生じてくる。資金繰り状況によっては運転資金需要の発生も想定される。