特集2 金融審議会「顧客本位タスクフォース中間報告」がめざす顧客本位の業務運営
金融審議会市場制度WG「顧客本位タスクフォース」中間報告は、顧客本位の業務運営(FD)について書かれた「家計の資産形成を支えるインベストメント・チェーンの機能発揮」と、「家計の金融リテラシーの向上」に大きく分けられる。提言された各施策については、政府が基本的な方針を策定し、関係者が協力して総合的・計画的に実施していくとするが、現場では、「顧客本位の業務運営に関する原則」が策定されてなお、実際の販売における課題が消えていない。本稿では、中間報告の主要な論点を解説し、金融機関のリテール部門における課題をいかに解決すべきか考察する。
1 顧客本位タスクフォース設置の背景
2 中間報告の主な論点
3 中間報告の販売現場における影響
株式会社日本資産運用基盤グループ 主任研究員 長澤 敏夫
特別企画 贈与税改正を踏まえた富裕層への税金対策アドバイス
2023 年度税制改正では贈与税の特例制度である相続時精算課税制度の抜本的な改正が行われ、併せて原則である暦年課税制度における生前贈与加算の改正も行われている。本改正後は相続時精算課税制度と暦年課税制度の差が縮まる結果となり、富裕層の相続税対策も見直しを迫られるであろう。本稿では贈与税の現制度を再確認しつつ、改正後の富裕層への税金対策アドバイスについて解説した。
東栄税理士法人 税理士 岡本 勲
特別研究 「中間試案」に見る担保法改正の方向性
法制審議会は、2022年12月6日、「担保法制の見直しに関する中間試案」を公表し、パブリック・コメント手続に付した。本稿では、中間試案の重要なポイントを説明するとともに、金融機関の融資実務に与える影響について考察を行う。
潮見坂綜合法律事務所 弁護士 鈴木 正人
大知法律事務所 弁護士 村上 雅哉
その他
●新型コロナ影響を勘案した今後の自己査定及び引当の検討ポイント
有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 深田建太郎/公認会計士 藪原 康雅
●非営利団体(NPO)との取引とAML/CFTにおける留意点
鈴木総合法律事務所 弁護士 鈴木 仁史
●移転価格税務リスクから見た海外子会社への親子ローン・債務保証実務
玄武法律事務所 代表 弁護士・税理士 德田 貴仁
●個人事業の『青色申告決算書』概要とチェックポイント
瀬口徹税理士事務所 税理士 瀬口 徹
●インボイス導入と中小企業のDX
Part1 制度の概要と中小企業・個人事業主の対応
国税庁軽減税率・インボイス制度対応室
Part2 制度導入による影響と中小企業の対応
株式会社ポラリス 代表取締役 税理士 島本 広幸
●LBOファイナンスの概要と取扱い上の注意点
長島・大野・常松法律事務所 弁護士 三上 二郎
● 連載 金融不祥事 転落の「死角」
第33回 「仕事のできる支店長」が陥った「死角」
公認不正検査士(CFE) 井上 享
●保証人の解散・追加等異動に関する取扱い
片岡総合法律事務所 弁護士 中里 拓也
●金銭債権、動産に対する強制執行時の留意点
渡邊 博己
●保険金の返戻請求への対応と住宅ローン保証保険の取扱い
旗田 庸
連載
▼中小企業のサステナビリティ考察(第4回)
——雇用に関わるインパクト投資の考察
サステナブル・ラボ株式会社 代表取締役 平瀬 錬司
同 Director oftionsESG ティートベール・インゴ
▼ニッチビジネス研究(第73回)
——Co2削減と節蒸気を実現するスチームトラップ~株式会社エコファースト 本誌編集部
▼ドラマに見る仕事の盲点~担保・保証~(第7回)
——地上権の設定された底地を担保に取る際の留意点
PwC弁護士法人 弁護士 日比 慎/弁護士 田上 薫
▼事業再生・事業承継支援専門家からの現場報告(第46回)
――中小企業の事業承継の方策−事業再定義の視点から(後編)
企業再建・承継コンサルタント協同組合(CRC)
今月の指針
金融商品販売現行のNISA取扱いにも目配りを忘れずに/融資推進現場で「倒産やリスケが少ない」と感じるのはなぜか/事務手続電子化推進の壁/金融法務オペレーショナル・レジリエンス確保に向けた基本的な考え方
巻頭言 顧客本位の業務運営に必要なこと
株式会社ボードアドバイザーズ 代表取締役社長 佃 秀昭
金融行政キーワード
※「ドラマに見る仕事の盲点~貸付取引~」は今月号は休載となります。
B5判・96頁
特集1 サステナブル支援でおさえておきたいESGキーワード早わかり
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