経営セーフティー共済(中小企業倒産防止共済)をご存知でしょうか。
一言でいえば、『取引先が倒産等した場合の資金繰り悪化による連鎖倒産を防止するための「共済事業」』です。
この共済事業は、取引先の倒産等の被害額に応じて最大8,000万円(最大掛金800万円の場合)まで借入れができる制度です。自社の倒産を防止するというもので、借入れができるだけでなく、毎月の掛金を費用にでき、しかも40カ月以上継続してその後解約した場合には、掛金の全額が返金されるという納税者に有利なものです。
法人税法上の活用としては、中小法人である場合には所得金額800万円以下の場合には税率は15%ですが、決算を迎える前にあらかじめ所得金額を予測し、事前に掛金の変更(月5,000円〜20万円までの変更は自由)をして800万円を超える部分を抑えることができれば、15%の税率を適用することができます。また仮に1,000万円近く出そうな場合でも調整次第では、800万円以下に抑えることができます。条件を満たせば前納制度(1年分を一括で前払い)を利用して最大460万円を費用として捻出することができます。
先に述べたように40カ月以上継続した段階であれば、赤字のときに解約をして全額返金して資金繰りに充てるという手段もあります。ただし解約した時に益金に算入(出口課税)されるので、解約時には注意が必要です。
資金繰りが困難な場合にも、解約せずとも掛金に応じて借入することもでき、柔軟性のある共済事業です。
まだ加入していない場合には、ぜひ検討してみてください。
(文責:
辻・本郷税理士法人 http://www.ht-tax.or.jp/)