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信託を用いた事業承継

 信託とは、委託者が信託行為(例えば、信託契約、遺言)によってその信頼できる人(受託者)に対してお金や土地、建物などの財産を移転し、受託者は委託者が設定した信託目的に従って受益者のためにその財産(信託財産)の管理・処分などをする制度です。
 信託では、信託財産の所有者である受託者には課税関係は生じず、信託財産は受益者が所有するものとみなして、受益者に対して課税される点が特徴です。
 信託には利益を得ることを目的としない民事信託と、信託銀行等が行っている商事信託があり、活用方法としては、生前贈与の代用、事業承継における活用等が挙げられますが、今回は事業承継における活用法を紹介します。
 事業承継における信託の活用法には、おもに@遺言代用信託を用いた事業承継、A他益信託を用いた事業承継、B後継ぎ遺贈型受益者連続信託を用いた事業承継スキームが考えられます。
 詳細な説明は割愛しますが、信託を活用することによって、議決権行使の指図権を承継できる等、事業承継の確実性・円滑性を図ることができます。
 将来の方向性を決めるという点では相続よりも裁量が大きく、柔軟な事業計画を構築することができ、またいつでも撤回できる遺言とは異なり、後継者の地位の安定性を図ることができます。
 一方、デメリットとしては、受託者に対する報酬の発生、信託業法等の規制があることがあります。
 こうしたメリット、デメリットを比較考量し、事業承継の方法として信託のスキームを採用するか、それとも株式譲渡や種類株式の発行をするか等を検討することが重要です。

(文責: 辻・本郷税理士法人 http://www.ht-tax.or.jp/

 
 

 

 
  • 2017年5月改訂版
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