I 法務
 1 相続手続の開始

 


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16 暦年贈与信託により確実な贈与を実現する

贈与手続の負担軽減と計画的な贈与が実現

1.贈与契約
 贈与とは、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずることになります(民法549)。
 また、子が未成年者であれば、親が親権者として、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表します(民法824)。
 贈与は口頭でも成立しますが、書面により贈与契約書を作成するときは、受贈者が未成年者であれば、親権者が法定代理人として贈与契約書に署名します。

2.信託による贈与
 財産そのものを贈与しなくとも、財産をもらう予定だった人を受益者とする信託を設定することにより、生前贈与の代用として信託が活用できます。信託契約は、委託者と受託者との間で行い、受益者は契約の当事者とはなりません。信託を設定すると、経済的利益を得るのは受益者となりますが、財産は受託者名義となり、財産の管理はあくまで受託者が行います。

3.信託による贈与の具体例
 子がまだ未成年であるときや財産を管理する能力に乏しいときなど、経済的利益を受ける者と財産を管理する者を分けたい場合には、信託契約が有効です。
 信託の形態として、親が自ら受託者となる自己信託とする方法や、信託財産の種類によっては、管理会社を設立してこれを受託者とする方法も可能です。


4.金融機関による「暦年贈与信託」商品
 最近は、信託銀行で「暦年贈与信託」という商品の取扱いを始めています。まず、贈与者が信託銀行に口座を開設して現金を預け入れ、受贈者にも口座を開設してもらいます。贈与する相手や金額については、毎年贈与者が決めて、信託銀行へ手続を依頼します。贈与者の口座から受贈者の口座へ現金を送金することにより、贈与手続を信託銀行が代行するものです。

5.税務の取扱い
 税務上は受益者を財産の所有者とみなして課税することから、上記の信託を活用した贈与については、信託設定時に、委託者から受益者へ財産の贈与があったものとして取り扱われます。贈与の対象となった財産の金額によっては、贈与税が課税されますので、その場合には、贈与税の申告および納税が必要となります。

(文責: 辻・本郷税理士法人 http://www.ht-tax.or.jp/

 


 


 

 
  • 2017年5月改訂版
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