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I 相続・贈与 1 相続の法務 A 相続財産の調査  

(1) 被相続人の預金が不明のとき

質問:
父が生前、銀行や信用金庫に記名、無記名の定期預金をかなり預けていることを知っていましたが、父の死後、証書も印鑑も見当りません。調査方法はありませんか。

要旨:

亡父の取引のあった銀行または信用金庫等に、亡父名義の預金の存否を調査依頼するとよいでしょう。

解説:

1 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属します(民法898条)。分割前の相続財産について各相続人は、単独で遺産の現状を維持する保存行為をすることができます(民法252条但書)。この保存行為には質問の定期預金証書や印鑑を調査することも含まれますので、各相続人は単独で調査することができます。

2 まず亡父の取引していた銀行や信用金庫等からの定期預金の満期および利息等の通知書等の書類が、亡父の遺品の中に残っていないか調べてください。もし銀行等からの通知書が存在していたらこれを手がかりにして、銀行等に亡父の預金および貸金庫利用の有無等について問い合わせれば判明するものと思います。この場合、銀行等に対し、亡父とあなたとの相続関係を立証する戸籍謄本等を持参して、亡父名義の預金の調査を依頼すべきでしょう。無記名の預金でも、預入れ、払戻しの状況等から自ずと亡父のものかどうか判明できるものと思います。

3 特定の相続人または第三者が、亡父の預金と印鑑を所持して銀行等から払戻されるおそれがあるときは、取引のあった銀行または信用金庫等に対し亡父が死亡して相続が開始し、遺産分割の協議ができていないので払戻さぬように通知しておけばよいと思います。

 

  • 平成29年8月改訂版
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