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【注目の話題】  

B 平成29年度税制改正のポイント(中小編)


 

平成29年度税制改正法が平成29年3月27日に成立しました(同年3月31日公布、同年4月1日施行)。
 中小事業者にとっては、賃上げ・投資をした事業者が減税の優遇を受けられる内容となっており、「研究開発税制の見直し」、「所得拡大促進税制の拡充」、「中小企業向け設備投資促進税制等の拡充」が注目されます。
 注目ポイントは、以下のとおりとなります。

(1)研究開発税制

@試験研究費の範囲に、「対価を得て提供する新たな役務の開発に係る試験研究のために要する一定の費用」が追加されます。
A試験研究費の総額における税額控除制度(総額型)につき、税額控除率を現行の試験研究費割合に応じた控除率(8〜10%)から試験研究費の増減割合に応じた税額控除率(6〜10%、2年間の時限措置として上限14%)とする制度へ改組されます。
B試験研究費の増加額に係る税額控除制度(増加型)または平均売上金額の10%を超える試験研究費にかかる税額控除制度(高水準型)を選択適用できる制度につき、前者が廃止されたうえで、適用期限が2年延長されます。
C試験研究費の額が平均売上金額の10%を超える場合、高水準型の適用に代えて総額型の控除税額の上限(当期の法人税額の25%)に一定の金額が上乗せできます。
D特別試験研究費にかかる税額控除制度(オープンイノべーション型)における特別試験研究費の対象となる共同研究および委託研究に係る相手方が支出する費用で自己が負担するものは「原材料、人件費、旅費、経費、外注費」に限定されているところ、その限定が廃止され、これらの研究に要した費用となります。さらに、対象費用の追加・変更の柔軟化、確認方法の簡素化もされます。
E中小企業技術基盤強化税制は、2年間の時限措置として、試験研究費の増加割合が5%を超える場合に、税額控除率(12%)に増加割合から5%を控除した割合に0.3を乗じて計算した率を加算する(税額控除率の上限は17%)などの措置が講じられます。

(2)所得拡大促進税制
 雇用者給与等の増加を促すために要件の見直しおよび控除額の拡充が行われます。

@要件の見直し
【改正前】
 継続雇用者に対する平均月額給与が前年度より増加していること
【改正後】
 継続雇用者に対する平均月額給与が前年度より2%以上増加していること

A税額控除額の拡充
【改正前】
 基準事業年度からの増加額×10%
【改正後】
 最大で基準事業年度からの増加額×12%

(3)中小企業向け設備投資促進税制等の拡充
 中小企業投資促進税制の上乗せ措置(生産性向上設備等に係る即時償却等)が中小企業経営強化税制として改組され、これまで上乗せ措置において対象外であった器具備品および建物附属設備が対象になります。

関連項目
・研究開発税制における税額控除制度
・特別試験研究に係る税額控除制度(オープンイノベーション型)
・所得拡大促進税制
・中小企業投資促進税制

(文責:中央綜合税理士法人)

 

  • 平成29年8月改訂版
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