そもそも、法人は従業員の交通反則金を支払う必要はありません。しかし、従業員の交通反則金を会社が負担する場合、その違反が「業務中」または「業務外」で取扱いが変わります。
1.損金算入の可否
法人が自己について課された罰金、科料等を納付した場合、その罰金等は損金に算入されません(法人税法55条)。
また、税務上、会社や法人が、その役員又は使用人に対して課された罰金若しくは科料、過料又は交通反則金を負担した場合、その罰金等が法人の業務の遂行に関連してされた行為等に対して課されたものであるときは法人の損金の額に算入されませんが、一方、業務遂行中以外のものであるときは、その役員又は使用人に対する給与とされます(法人税基本通達9‐5‐8)。
2.損金算入が可能な徴収金
たとえばレッカー車による移動代金等、交通反則に伴い納付する徴収金は、車両の移動、保管、公示その他の措置に要した実費をその車両の運転者又は所有者等に負担させるものであるため、上記の罰科金等には該当しません。
したがって、業務遂行中のものであり、法人がその徴収金を負担することに相当の理由があると認められるときは、負担した徴収金は給与以外の損金の額に算入されます。
(文責:中央綜合税理士法人)